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沼津で「我入道の渡し船」 79歳の船頭が「地域の水先案内」

沼津で「我入道の渡し船」 79歳の船頭が「地域の水先案内」

「今の季節が1番きれいだ」と話す川口さんと富士山

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 沼津市の我入道(がにゅうどう)地区で3月21日から、観光渡船「我入道の渡し船」の運行が始まった。

子どもの撮影にも笑顔で応える川口さん

 我入道の渡し船は、我入道地域と狩野川の対岸にある沼津港を結ぶ渡し船が由来とされていて、明治時代から続くもの。主に生活用の渡し船として活躍していたが、1968(昭和43)年に港大橋の完成によって陸路での移動が可能となり、1971(昭和46)年に廃止された。

 現在は観光利用を目的として、1997年に復活し、我入道から沼津港、沼津市の中心地にあるあゆみ橋までのおよそ1.5キロを20分ほどかけて運行。運行は春と秋の週末に運行し、1日4往復ほど行う。

 春の早朝にはくっきりと富士山が見える渡し船には、朝から観光客の姿も多くあった。神奈川県厚木市からやってきた家族は「これから下田に行く途中で、沼津港の周辺を散策しようと思い乗船した。日も暖かくとても気持ち良かった」と話す。

 10メートルほどの木造和船を操縦するのは、船頭歴20年以上の川口安次さん(79)と、岩城地朗さん(73)のコンビ。川口さんは地元で漁師を行いながら船頭を行っていて、岩城さん飛行機の整備士を退職後、沼津に移住。きっかけは「川口さんが船頭をやっている姿がかっこよく、自ら志願した」と話す。

 川口さんは「今の季節が富士山を見るのには1番いい時期。ゴールデン・ウィークが明けると雪が溶けてしまい、夏は照り返しも強い。春の早朝が上昇気流による雲も少なく、午前中が見頃だ」と渡し船の見頃について話す。

 1年でおよそ2500人の渡船を行う2人。川口さんは「定期的なガイドは行わないが、聞かれたことは答えようとしている。渡し船の歴史や地域の特徴、沼津の魅力なども話すこともある」と地域の魅力の水先案内人も務める。

 時には下りの渡し船の際に、木製の絽(ろ)を子どもたちと一緒にこぐサービスも行うことも。「多くの人の思い出になってくれれば。ここでは楽しい思い出を作ってほしい」とも。

 この日、我入道の曽祖母の墓参りに来たという東京都在住の久保田紗世さんは「初めて乗船して、とても楽しかった。川口さんの写真撮影もできてとてもうれしかった」と笑顔を見せていた。

 川口さんは「加齢によるり力の衰えで、しんどい時もある。それも乗船してくれる人の会話や笑顔を見るとより頑張りたいと思う。今後も多くの人の案内をしていき、次の世代につなげていきたい」と話す。

 渡し船の日程は沼津市ホームページで確認できる。
(伊豆経済新聞)

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